500ccエンジン搭載の産業用ドローン『AZ-500』デビューフライト
500ccエンジン搭載の産業用ドローンを開発 アイザワグループのAAA 給油機能付きの格納庫を一体設計 自律型の「空飛ぶ産業用ロボット」目指す アイザワグループの無人航空機開発会社、アラセ・アイザワ・アエロスパシアル合同会社(AAA、本社静岡県浜松市、共同代表:會澤 祥弘、荒瀬 国男)は、産業用途に特化した500㏄エンジン搭載の大型ドローンを開発し、26日午前、浜松市内の天竜川河口におきましてデビューフライトを実施しました。27日からの『第4回名古屋ロボデックス』に初号機「AZ-500」や格納庫などを出展します。機体の開発に合わせて自動給油機能が付いた格納庫やデジタルツイン技術を駆使した自律航行システムを一体設計することにより、ひとが介在せずに自律的に仕事を続ける「空飛ぶ産業用ロボット」のベースマシン『The Drone Basics for Industries』として新たな価値を打ち出し、本格的な空の産業革命を主導してまいります。 ■デビューフライトで期待以上の運動性能を発揮 早朝から天候に恵まれたこの日、共同代表の會澤、荒瀬をはじめとするAAAのスタッフのほか、開発に関わった取引先など約20名が見守る中、デビューフライトは午前9時17分にスタートしました。荒瀬がエンジン始動の号令を発した後、AZ−500は重低音ながら透き通ったエンジン音を轟かせ、静かにホバリングを開始しました。ピッチ(前後)方向確認、ロール(左右)方向確認をクリアした後、バーチカルボックス(四角)、ホリゾンタルエイト(8の字飛行)など予め決められた姿勢制御のチェック項目を次々とクリア。最後に回転数を上げた昇降テストなども追加し、期待以上のエンジン性能と制御能力を発揮して無事にデビューフライトを終えました。 會澤代表は「期待以上の運動性能を実現できた。産業ドローンとして様々な仕事の現場でこの機体が人間とともに働く未来を実感できたのが大きい」と強調、1年数ヶ月の短期間で初フライトまで漕ぎ着けた荒瀬代表に対して最大限の賛辞を送りました。 荒瀬代表は「過去のホバリングテストとは次元の異なる初めての本格フライトになった。想像以上の出来。この開発環境を整えてくれた會澤代表に心から感謝したい」と述べるとともに、「これからが開発の正念場。今まで以上に心を引き締めて開発に当たって行く」と抱負を語りました。 ■産業用途のドローンエンジンを独自開発 建設、物流、防災、防衛など様々な産業用途に使えるベースマシンを生み出すことを志し、「AZ-500」の開発は、高性能二輪エンジン技術を応用して、ドローンの専用エンジンを新規に設計するところからスタートしました。汎用エンジンをドローンの機体に搭載した例はありますが、大型二輪技術を応用して専用エンジンを開発したのは世界初の試みです。 ドローンの動力源をエンジンに求める場合、高出力とともに軽量化と無振動化が課題となります。AZ-500のエンジン(愛称:『國男』)型式は油冷式500㏄。ジャイロ効果キャンセル構造(特許取得済み)の独自設計により、エンジン本体の無振動化に成功しました。これによりエンジン本体から4本のローターシャフトを腕のように伸ばし、エンジンのパワーをロスすることなく直駆動でプロペラに伝えるクアッド型マルチコプターを機体形式として採用。姿勢制御はプロペラの角度を調整して行う可変ピッチ方式としました。 機体重量は100㎏、ペイロードは50㎏未満で、ドローンの最大離陸重量の規制にぎりぎり収まる最大級のスケールとなりました。ペイロードを使用しない連続航行時間は5時間以上となります。 ■機体の格納庫と自律運航システムも一体的に開発へ 重量物を搭載して長時間飛べる機体が「空飛ぶ産業用ロボット」として活躍するためには、ひとの手を煩わせずに自動で飛ぶ能力が求められます。無人航空機を使うたびにひとが資機材を準備したり、機体を地上から操縦している限り、空の産業革命は起こり得ないというのが私たちの基本的な考えです。 そこで私たちはAZ-500の機体開発とともに、その格納庫となる「The Port」を一体設計し、AZ-500が「The Port」から飛び立ち、仕事した後に「The Port」に帰還するという利用環境を実現します。機体が格納されたThe Portは車でけん引して、建設現場など所定の場所に運び込むことができます。The Portには自動給油機能やIoTを駆使した機体の自動点検機能が備わっており、一定の期間、人の手を一切煩わせることなく空飛ぶ仕事を繰り返すことができます。 また大型のエンジンドローンが安全に飛びながらひとと協働するためには、機体がひとや危険物を避けながら飛行できる完全自律型の航行システムが必要になります。私たちは「SYNCWORLD」と呼ぶブロックチェーンを利用したデジタルツインの生成同期システムの開発を進めており、リアルな世界と同期し続けるデジタルツインを座標軸として、ゲーム開発で培われてきたノウハウをベースに機体が自律運航する新たなドローンオペレーションに挑戦してまいります。 ■The Drone Basics for Industries 空飛ぶロボットのベースマシンとなる「AZ-500」、機体の格納庫となる「The Port」、そして完全自律航行に道を拓く「SyncWorld Engine」。この3つの技術要素が一体となった統合システムを「The Drone Basics for Industries」(産業用ドローンの基本構成)として具体化し、普及を進めてまいります。 27日から3日間の日程で開催される『第4回名古屋ロボデックス』(場所:ポートメッセなごや)には、AZ-500の機体、『國男』エンジンのほか、プロトタイピングを進めている「The Port」を合わせて展示し、ご来場の皆様に「Basics」の世界観をご覧いただく予定です。 ■AAA設立の背景 AAAは、會澤高圧コンクリート(苫小牧市)を中核とするアイザワグループの代表である會澤 祥弘(56)と、元スズキの二輪エンジンデザイナー荒瀬 国男(60)が昨年8月、共同出資で設立しました。 會澤高圧はバイオテクノロジーを使った自己治癒型コンクリート補修材を実用化しており、ドローンを使った液体補修材の完全機械施工法を確立するため、米MIT系のスタートアップ「Top Flight Technologies」(ボストン)と組んでバッテリーとエンジンのハイブリッド型ドローン「Airborg」をプロトタイピングしました。ただ汎用エンジンを使ったハイブリッド型では出力に限界があるうえエネルギーロスも大きく、産業用として求めていた機体性能には届きませんでした。 コロナ禍もあって開発体制の見直しを迫られていた昨年7月、會澤は、最高速度300㎞/hを超えた20世紀最速の市販バイク「隼・GSX-R」を設計したエンジンデザイナーである荒瀬と出会いました。荒瀬はMotoGPレースグループのプロジェクトリーダーなどを歴任後、2018年からエンジン、機械、設計、解析のフリーエンジニアとして独立。高性能二輪エンジンの技術を空の世界に活かすことを構想していました。その矢先の出来事で、二人はその日のうちに意気投合し、翌8月にはAAAの設立にまでこぎつけたのです。 デビューフライトの動画全編はこちら 【AAA】アラセ・アイザワ・アエロスパシアル公式 Webサイト:https://www.aaa-llc.jp/ ※本プレスリリースのPDFはこちらからダウンロードできます。 https://www.aizawa-group.co.jp/home/wp-content/uploads/2021/10/PressRelease_AAA_20211026.pdf ※メディアの皆様へ 当プレスリリースに関係する画像ファイルなどはこちらからダウンロードいただけます。 https://drive.google.com/drive/folders/1XT4FAPjGWfFtCopE-Ulb9f-07fMXABCM?usp=sharing ■本件に関するお問い合わせ先 會澤高圧コンクリート株式会社 担当: 嘉津山 公一(かつやま こういち) TEL : 011-723-6600 Mail: k.katsuyama@aizawa-group.co.jp
イタリアの建築雑誌『domus』(ドムス)に深川工場が掲載
イタリアの建築雑誌『domus』(ドムス)の2021年10月号に3DPC工法を駆使した弊社の深川工場の記事が掲載されました。 巻頭のDIARIO(≒DAILYの意)というセクションで紹介されております。 以下に、記事の粗々な和訳を掲載いたします。(Web翻訳サービスを使用しております。) ※タイトルは「理性のもとにつくられる、当たり前の建築の大いなる冒険」といった意味合いかと思います。 工場は、戦間期の英雄的なモダニストたちにとって身近なテーマであり、「第一次機械時代」の主人公たちは、生産プロセスとその生産場所の合理性に魅了され、夢中になっていました。 Peter Behrensが設計したAEGタービン工場(1908年)は、彼らが参考にした建築物であり、建物を建築物の地位にまで高めることができるということを証明しています。 このようにして始まった産業の系譜は今日まで続いており、より幸運なケースでは、建築物の全体的なボリュームや内部のオープンスペースの規模に起因する、いわゆる必然的なモニュメント性と、それらを特徴づけるいくつかの要素の詳細な選択とを結びつけることができました。 これは、圓山彬雄が2020年に完成させた「AIZAWA 深川工場」にも共通する性質で、25×52m、高さ12mのコンパクトな1つのボリュームで構成されています。外観のエレベーションは、本質的には言語的な意味合いを持たないものですが、不透明な面とシースルーの面が規則的に交互に配置されているのが特徴です。 内部は格納庫であり、13の構造的なポータルによって囲まれた空の空間である。このポータルは意図しない装飾であり、垂直な窓から斜めに差し込む太陽光のキアロスクーロによって劇的に演出されています。 しかし、その空間的、流動的な特徴とは別に、AIZAWA 深川工場は、何よりも合理的な基準に基づいた建築ソリューションについても説明する価値があります。 クライアントはコンクリート製のプレハブ部材を製作し、建築家は構造フレームを作るためにこの技術を進んで採用します。 また、通常は廃棄される鋼製型枠を再利用したり、耐震性や建物の寿命を延ばすことを目的としたスチールシェルを詳細に検討するなど、このデザインの具体的なディテールは、その持続可能性を強調しています。 AIZAWA 深川工場は、革新的な要素を忘れることなく、知的で通常の建築手法を積極的に取り入れています。 高さ3mにも及ぶ柱間のインフィルは、3Dプリントされたコンクリートパネルです。 ローテクとハイテクが矛盾することなく併用されており、単一のソリューションを批判的に祝うのではなく、様々な手法の賢明な組み合わせを好む非イデオロギー的アプローチに基づいています。
世界初、AAAが開発中のエンジンドローンが初フライトに成功
アイザワグループの無人航空機開発会社、アラセ・アイザワ・アエロスパシアル(本社浜松市)は2021年9月20日、開発を進めてきた産業用の大型エンジンドローン、AZ-500の初フライトに成功しました。 初フライトは浜松市の天竜川河口で実施し、午後4時頃、大型二輪エンジンの技術をベースに一からエンジンと機体を設計した排気量500ccのAZ-500はゆっくりと浮上し、想定した通りのパワーと操舵性を確認出来ました。 9月22日に予定していた公式デビューフライトについては、20日の初フライトに続き翌21日に最終のテストを繰り返していたところ、突然エンジン内部のギアが損傷し、最終テストの継続が困難となりました。このため、公式のデビューフライトについては、2021年10月26日に延期する方向で再調整することになりました。 以下の動画は21日のテストフライトで、ギアが損傷する前、AZ-500が力強く飛行していた時の模様です。予期せぬトラブルで公式デビューはしばし先送りとなってしまいましたが、私たちが一から設計したドローン専用大型エンジンは見事、空を飛んだのです。 ※機体が上下左右にふらついているように見えますが、操作テストのため意図的に動かしています。 AZ-500は、世界初のエンジンドローン 無人クワッドコプターで油冷式500ccガソリンエンジン搭載で、かつ可変ピッチコントロールは、世界初の試みです。 AZ-500のガソリンエンジンは、従来のドローンに使用されているラジコン用と全く異なり、新たにドローン用に設計されたエンジンを使用しています。 プロペラはエンジンからの動力をローターシャフトを使って直接回転させ、姿勢制御はプロペラの角度を調整する可変ピッチ方式を採用しています。 AZ-500は、産業用ドローンの決定版としての性能を十二分に備えた機体として設計されています。電動式ドローンがカバーできないヘビーデューティー・ヘビーリフティングの分野は、AZ-500が担っていけるものと確信しています。 エンジンドローンAZ-500 諸元 AZ-500は以下の形式・性能目標に基づいて設計・開発を行っております。 エンジン出力 40KW以上 排気量 500cc 冷却方式 油冷 機体重量 100Kg アラセ・アイザワ・アエロスパシアル公式サイト:https://www.aaa-llc.jp
北海道エアポート様、新千歳空港内駐機場で自己治癒型コンクリート補修材の実証実験
この度北海道エアポート様ご協力のもと、新千歳空港内駐機場においてBasilisk自己治癒補修材による、ひび割れ補修実証実験を実施しました。 これは、道内での航空施設における初の試みとなります。 今回の検証は、航空機の運航時間外で補修作業をすべて完了するという時間の制限から、短時間での作業が可能な液体タイプの自己治癒補修材【Basilisk ER7】を使用し、併せてひび割れの深さや幅を考慮に入れ、6月28日の施工初日より一定の間隔を開けながら数回の繰り返し施工を実施し修復状況の経過観察を継続して来ました。 今後、北海道エアポート様の運営する新千歳空港を含む道内7空港における施設の維持管理及び新設にBasilisk商品をご提案し、施設維持管理費の軽減及びライフサイクルの延長にご協力して参ります。 北海道エアポート様のサイトには 修復経過についても掲載されております。ぜひご覧ください。 北海道エアポート株式会社公式サイト:https://www.hokkaido-airports.co.jp/ 本件ニュースリリース(PDF)への直リンクは⇒こちら 自己治癒コンクリート【Basilisk】公式サイト:https://basilisk.co.jp/
浪江町と會澤高圧コンクリート、工場立地に関する基本協定を締結
令和3年8月24日(火)に福島県浪江町役場において、會澤高圧コンクリート株式会社(以下「會澤高圧」)及び浪江町との「工場立地に関する基本協定」の締結式を執り行いました。 この協定は、浪江町と會澤高圧とが相互に連携することにより、福島第⼀原発事故からの復興を⽬指す浜通り地区を舞台に、先端テクノロジーの社会実装を進め、より⾼度なコンクリートマテリアル事業と持続可能社会の実現に資する産業を、地域とともに創出することを目的としたものです。 協議会室にて脱炭素の事業提案 左から會澤祥弘社長と吉田数博浪江町長 具体的には、浪江町の吉⽥ 数博町⻑はじめ産業振興課を中心とする皆様のご指導をいただきながら、①研究開発施設と工場が一体となったRDM を南産業団地に建設する ②RDM の建設に国の補助金制度「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」を最大限活用する ③浪江町と私たちの間の立地協定にイノベーション共創を盛り込む、ことなどを予定しております。 町長室にて締結式前懇談 浪江町役場で執り行われた締結式で吉田数博町長は「研究開発型拠点として町内に立地することとなり、最先端技術の集積と多くの雇用創出とで町の復興に寄与頂けるものと期待している。また脱炭素に関する事業提案を頂いているので、ゼロカーボンシティの実現に協力頂けるものと大いに期待している。浪江町としても街づくりのパートナーとして、末永いお付合いをお願いしたい。」と述べ、會澤祥弘社長が「パートナーという言葉を頂戴し、本当に身が引き締まる思いをしている。コンクリートメーカーだが普通のコンクリートではない、従前やってきた事を敢えて否定する部分もあるかもしれないが、新しい時代を作るために志を持ってやっている集団だと皆さんにご理解いただいたうえで、末永く地元の一員として迎えて頂ければと思っているのでよろしくお願いいたします。」と謝辞を述べました。 協定締結後の記者会見で會澤祥弘社長は福島RDMセンターについて「ハードだけではなく、地元の企業や大学とのコラボレーションが非常に重要。イノベーション起こすにはオープンにやっていくのが基本、そういった機能が強くなっていくと思う。」とイノベーション共創への思いを述べました。 ※本件に関するプレスリリース:https://www.aizawa-group.co.jp/news2021082401/ ↓締結式・記者会見の様子はこちらでご覧いただけます。