アイザワグループの無人航空機開発会社、アラセ・アイザワ・アエロスパシアル(本社浜松市)は2021年9月20日、開発を進めてきた産業用の大型エンジンドローン、AZ-500の初フライトに成功しました。

初フライトは浜松市の天竜川河口で実施し、午後4時頃、大型二輪エンジンの技術をベースに一からエンジンと機体を設計した排気量500ccのAZ-500はゆっくりと浮上し、想定した通りのパワーと操舵性を確認出来ました。

9月22日に予定していた公式デビューフライトについては、20日の初フライトに続き翌21日に最終のテストを繰り返していたところ、突然エンジン内部のギアが損傷し、最終テストの継続が困難となりました。このため、公式のデビューフライトについては、2021年10月26日に延期する方向で再調整することになりました。

以下の動画は21日のテストフライトで、ギアが損傷する前、AZ-500が力強く飛行していた時の模様です。予期せぬトラブルで公式デビューはしばし先送りとなってしまいましたが、私たちが一から設計したドローン専用大型エンジンは見事、空を飛んだのです。

※機体が上下左右にふらついているように見えますが、操作テストのため意図的に動かしています。

AZ-500は、世界初のエンジンドローン

無人クワッドコプターで油冷式500ccガソリンエンジン搭載で、かつ可変ピッチコントロールは、世界初の試みです。

AZ-500のガソリンエンジンは、従来のドローンに使用されているラジコン用と全く異なり、新たにドローン用に設計されたエンジンを使用しています。

プロペラはエンジンからの動力をローターシャフトを使って直接回転させ、姿勢制御はプロペラの角度を調整する可変ピッチ方式を採用しています。

AZ-500は、産業用ドローンの決定版としての性能を十二分に備えた機体として設計されています。電動式ドローンがカバーできないヘビーデューティー・ヘビーリフティングの分野は、AZ-500が担っていけるものと確信しています。

エンジンドローンAZ-500 諸元

AZ-500は以下の形式・性能目標に基づいて設計・開発を行っております。

エンジン出力 40KW以上
排気量    500cc
冷却方式   油冷
機体重量   100Kg


アラセ・アイザワ・アエロスパシアル公式サイト:https://www.aaa-llc.jp