全国45社で「蓄電コンクリート工業会」9月設立へ

米MIT発の先端素材を日本発で社会実装 都内で初の準備会合

 

脱炭素経営を推進する會澤高圧コンクリート(代表取締役社長:會澤 祥弘)が、米マサチューセッツ工科大学(MIT)と共同で研究開発を進める「蓄電コンクリート」について本年9月に工業会を設立する運びとなり、全国の主要コンクリートメーカーなど45社の代表らおよそ100名が3日、都内に集結し、第一回の設立準備会を開催致しました。

 

 

蓄電コンクリート工業会については、MITと蓄電コンクリートの研究開発コンソーシアムを設立した會澤高圧コンクリートがテクノロジーの実装と普及を日本で主導的に行うため、昨年9月に開催した『aNET ZEROイニシアティブ』第五回経営者会議において設立構想を明らかにしました。

メンバーの公募を開始したところ、本年2月までに全国の主要なコンクリートメーカー、コンクリート製品製造設備サプライヤーなど44社が賛意を表明して基本契約の締結を済ませ、今年9月の正式な工業会設立に向けて設立準備会の活動を3日付で本格的にスタートさせました。

主催者を代表してあいさつに立った會澤祥弘社長は、「蓄電コンクリートはまさに脱炭素のためにある。各社の力と意思を結集し再生可能エネルギーの普及にとって不可欠な先端素材をとなるよう社会実装を加速し、コンクリート産業を次のステージへ引き上げて行きたい」と抱負を語りました。

 

 

第一回設立準備会では、工業会の設立趣意書(案)が上程されたほか、工業会へ正式移行するための手続き事項などを確認。さらに令和7年度の事業計画案、収支予算案などが審議されました。またMITとの共同研究の進捗報告や、札幌市の雪まつり会場で行った自己発熱パネルの実証試験の成果なども併せて報告され、技術的な進展と今後の市場性についても意見が交わされました。

 

 

會澤高圧コンクリートでは、本年9月25日に福島RDMセンター(浪江町)でテクノロジーイベント『結』を開催し、MITと共に蓄電コンクリートの住宅用実証モデルを公開する予定です。モデル公開に合わせて「蓄電コンクリート工業会」設立総会を開催し、全国的な供給体制を含む産業基盤を確立しながら、①再生可能エネルギーの効率的な蓄積と供給の促進 ②分散型エネルギー供給網の確立による電力インフラの強靭化 ③自己発熱機能によるエネルギー消費の低減と環境負荷の軽減 ④積雪寒冷地域における融雪およびインフラ維持管理の効率化――などの諸課題に取り組んで参ります。

 

蓄電コンクリート工業会 設立趣意書(案)

気候変動に直面する現代社会において脱炭素化は喫緊の課題である。持続可能なエネルギー供給の早期確立は時代の要請にほかならない。コンクリートを業とする我々はこうした潮流を真摯に受け止め、コンクリートに発熱機能や蓄電機能を付与するテクノロジーを社会実装することで、建築材料の概念を一新し、次世代に欠かすことのできない社会インフラを創造することを目指すことにした。

コンクリート内に炭素微粒子の導電性ネットワークを形成することにより、単なる構造材料の枠を超え、自己発熱機能さらには充放電機能を兼ね備えた次世代建材を誕生させる。この革新的技術の基盤をなすのが、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームによって開発された電子伝導性炭素セメント材料「ec³(electron-conducting carbon-cement material)」である。

我々は、MITと會澤高圧コンクリート株式会社が共同で設立したec³研究開発コンソーシアムと一体的に連携し、我が国における蓄電コンクリートの実用化並びに全国的な普及を加速させる。技術の普及により、

  • 再生可能エネルギーの効率的な蓄積と供給の促進
  • 分散型エネルギー供給網の確立による電力インフラの強靭化
  • 自己発熱機能によるエネルギー消費の低減と環境負荷の軽減
  • 積雪寒冷地域における融雪およびインフラ維持管理の効率化

といった、持続可能な社会の実現に向けた重要な課題の解決に寄与する。

本工業会は、この先端技術を広く社会に普及させ、建設・エネルギー・モビリティ産業等の発展に貢献することを使命とする。そのために全国的な供給網の構築を推進し、脱炭素社会の実現に向けた産業連携の礎を築く。

単なる技術の提供にとどまらず、建築基準および関連法規の整備等を通じて技術の安全性と信頼性を確保し、持続可能な都市インフラ構築の主体者となる。さらには会員各位の経営基盤と叡智を持ち寄り、地域社会に根差した全国規模の活動を通じて、社会的・環境的課題の解決に欠かせない存在となることを要諦とする。

今こそ、我々は意思と力を結集し、蓄電コンクリートの社会実装を加速させ、コンクリート産業を名誉ある次のステージへと引き上げるべきである。本工業会の設立をもって起点とし、その使命を果たすことをここに誓う。

 

2025年9月25日

蓄電コンクリート工業会

発起人 會澤高圧コンクリート株式会社 代表取締役社長 會澤 祥弘

 

■蓄電コンクリート工業会会員リスト

 

 

 

本プレスリリースの問い合わせ先)

■會澤高圧コンクリート株式会社

大橋 未来(080-2740-0971)