『aNET ZEROイニシアティブ協定』新たに8社と締結

協定締結10社で「第一回経営者会議」を開催

脱炭素化の技術開発加速へWG設置 GHG削減量のNFT化を決議

 

會澤高圧コンクリート株式会社(本社苫小牧市、代表取締役社長 會澤 祥弘)は、セメント・コンクリート産業の脱炭素化に向けた取り組みを加速するプログラム『aNET ZEROイニシアティブ』を共に推進することで新たに8社と合意し、19日午後、東京都内において協定書に調印致しました。

 

『aNET ZEROイニシアティブ協定』を締結した8社は、調印順に

株式会社ヤマウ(本社福岡市、代表取締役社長 有田 徹也)

株式会社ヤマックス(本社熊本市、代表取締役社長 茂森 拓)

株式会社武井工業所(本社石岡市、代表取締役 武井 厚)

ジオスター株式会社(本社文京区、代表取締役社長 端山 真吾)

大和クレス株式会社(本社岡山市、代表取締役社長 林 美佐)

草竹コンクリート工業株式会社(本社奈良市、代表取締役社長 草竹 晃司)

株式会社上田商会(本社登別市、代表取締役社長 上田 朗大)

昭和コンクリート工業株式会社(本社岐阜市、代表取締役社長 村瀬 大一郎)

 

当社並びに、他に先駆けて本年7月に協定を締結したケイコン株式会社(本社京都市、代表取締役社長 荒川 崇)を含め、運動を共にするプレキャストコンクリートメーカーはこれで計10社となりました。10社の直近の売上高を合計すると1,500億円を超えており、コンクリート業界において脱炭素化に向けた“集団的な動き”が加速するきっかけになるとみられます。

aNET ZEROイニシアティブは、将来のGHG発生量を大きく削減できる自己治癒コンクリートの量産化などをテコに、GHGのサプライチェーン排出量を2035年までに実質ゼロにすることを取締役会で決議した會澤高圧コンクリートが、同様の“期限付きネットゼロ運動”を業界全体に広げることを目指して今年1月に提唱しました。

19日の協定調印式では、各社の社長がそれぞれの考えのもとに社内で決議したネットゼロの達成期限を明らかにすると共に、目標達成への想いや創業の地の象徴などをデザインしたロゴ(通称「コミットメントロゴ」)を公表し、脱炭素化のゴールに向かってお互いの力を結集することを確認しました。

この後、協定締結社のすべての社長が一堂に会して「第一回経営者会議」を開催し、協定の骨子である ①會澤高圧コンクリートが保有管理する脱炭素系テクノロジー(バクテリアの代謝を活用した自己治癒コンクリートなど)の技術移転と普及を進める ②炭素除去(カーボンリムーバル)技術の追加的な開発を共に推進する ③ブロックチェーンをベースとした炭素削減量の管理手法を確立する、ことなどを確認するとともに、今後の運営の基本方針について協議しました。

具体的には、脱炭素化につながる追加的な技術開発を加速するため、各社が少なくとも1つの技術開発ワーキンググループ(WG)を主催することとし、開発された技術を実装する際はその実施権を互いに円滑に供与することで合意しました。また年内をメドに、各社が設定したネットゼロの期限までの基本ロードマップを策定することを申し合わせました。

一方、GHGの削減量を管理する方法については、各社が実施した炭素削減データを営業案件ごとにNFT(非代替性トークン)化し、共通のプラットフォームで管理、公開することで合意しました。ブロックチェーン技術を手掛ける BlockBase株式会社(本社東京)が開発したNFT発行モジュール Chocofactory Pro SDKをベースに會澤高圧コンクリートが独自に開発したNFT発行システムを使用します。

協定締結会社はGHG削減技術を使ったコンクリート製品を納入する毎に、利用した脱炭素テクノロジー、生産拠点、生産量、GHG削減量とその計算根拠などのデータを登録してNFTを発行します。これを実際の製品の納入や決済のタイミングに合わせて購入したユーザー側のウォレットにトランスファー(またはエアドロップ)でき、NFTの譲渡の軌跡を記録して行きます。特定の産業が既存のNFTマーケットプレイスを介することなく、NFTの登録・発行・譲渡までをシームレスに行う共通プラットフォームを自主運用するのはほとんど例がなく、web3技術利用の先駆的な事例となりそうです。

aNET ZEROイニシアティブは、脱炭素化に資する様々な技術を可能な限り自由かつ円滑に使える環境整備を進めることで技術の普及スピードを加速させ、セメント・コンクリート産業から排出されるGHGを少しでも逓減させる効果を狙っています。

GHGの直接的な排出だけでなく、仕入れなどの上流工程を含む事業活動すべてに関連する「Scope3」ベースのネットゼロを達成する必要があり、建設の際にコンクリートを使用するデベロッパーやゼネコンにとって、主要な仕入れ資材であるコンクリートの脱炭素化の状況は環境経営を進めるうえで極めて重要なファクターとなりつつあります。

今回の協定締結並びに第一回経営会議の協議を受けて、會澤高圧コンクリートの會澤祥弘社長は

「日本のプレキャスト業界を代表する、真に力のある、脱炭素への意志を明確に持つ企業にご参加いただけた。それぞれの個性や地域性を併せ持つ10社が事実上のチャーターメンバーとなり、共に脱炭素への息の長い旅を始めることになるが、10社が一丸となって強いイニシアティブを発揮して行くことが業界をさらに巻き込んでいけるかの試金石になる。ゼネコンやデベロッパーなどの発注者からの技術的な要請に応えられるよう情報交流の基盤づくりにも力を入れる必要があり、NFT発行基盤をベースに将来は独自トークンを使った建設業界の脱炭素コミュニティーを模索して行きたい」と話しています。

 

■協定締結会社の概要

昭和コンクリート工業株式会社について

1954年、岐阜県岐阜市に創業の総合コンクリート企業。「社会資本整備を通じて社会に貢献する」を経営理念に掲げ、プレキャスト土木コンクリート事業、プレキャスト建築コンクリート事業、プレストレストコンクリート工事事業、リニューアル事業を4本の柱に事業を展開している。製造網としては全国9工場を有しており、近年ではプレキャストコンクリートとプレストレストコンクリートを融合させた大型コンクリート構造物のプレキャスト製品を提供し建設業の課題解決に積極的に取り組んでいる。また昭和コンクリート工業グループはかねてよりコンクリート事業の他に造園会社を保有し自然あふれる住環境の整備に取り組み続けており、今後は更にグリーンインフラの創造によりサスティナブルな地球環境の実現を目指す。2022年3月期の売上高は266億円。

コミットメントロゴは、織田信長が天下布武を誓った岐阜市のシンボル岐阜城をモチーフとして、環境改善の取り組みで天下泰平が実現できるよう願いを込めたデザインとした。

 

株式会社上田商会について

1925年、北海道滝川市創業のコンクリート製品メーカー。本社は北海道登別市。自然や社会、人との調和を示す「和」を社是とし、土木用コンクリート製品を中心に事業を拡大、1990年には建築用プレキャスト製品分野への進出を果たす。その後も薄肉埋設型枠製品や維持補修工事業等の新分野に挑戦し、2022年には海外子会社(インド)の新工場が稼働を開始した。同年3月、国内サウナ市場向けにコンクリートサウナCUBERUの販売を開始、6月には低炭素型エシカルコンクリートTUTUMUをリリースしている。豊かで安全安心な社会の実現に貢献することをミッションとして、コンクリート製品の新たな価値を創造する。2021年度の売上高は58億円。

コミットメントロゴのテーマは[Powder Snow]。モチーフとなっているのは羊蹄山で、その山頂を覆うPowder Snowは北海道の冬を象徴するものである。コンクリート製品業界のカーボンニュートラルに向けた取り組みが、これらの雄大な自然を後世に残すための一助になればという想いを込めた。

 

草竹コンクリート工業株式会社について

1948年(昭和23年)に創業、本社は奈良県奈良市。「人と地球の未来のために」を経営スローガンに、創業以来独自の技術力に拘り、高め続けてきた。特許を初めとした産業財産権の取得数は3,000件を突破。その一つ一つが人や社会や環境への思いやりの歴史だと信じている。ライフラインの一役を担うプレハブ型「仕切弁・消火栓ボックス」、画期的な自立構造で防災・治水・景観保全など、多様な役割を果たす土留め用「フヘキ工法」、視覚障がい者の方々を守る「ユードーブロック」など、小型から大型製品まで、型枠設計や生産プロセスにまで独自性を追求しながら邁進している。2022年度7月期の売上高は16億円。

コミットメントロゴは、世界中から癒やしと安らぎを求めて、会いに訪れる奈良の鹿。その鹿は神の使いとされる神鹿でもあり、奈良には春日山や三輪山をはじめ、山自体を御神体とする神社が多く、自然を深く敬う文化が古代より根付いている。そうした神山から昇る朝日は奈良が誇れるもの。脱炭素に向けて、こうした美しい風景を守っていきたいという願いをこめて、日出(ひい)づるデザインを採択した。

 

大和クレス株式会社について

1964年、岡山に創業のコンクリート製品の設計製造販売施工を営む企業。本社は岡山市中区。戦後の高度経済成長期の食糧需給を支える岡山県南部の大規模干拓地の農業整備において、岡山の農業の近代化に貢献したいという創業者の想いから農業土木コンクリート製品の製造販売を開始。その後、拠点を西日本に広げ、農業土木分野にとどまらず、道路、橋、山や川の擁壁など、様々なところで人々の安心安全な暮らしと自然の調和を支える高品質なコンクリート製品を供給している。2021年9月末の売上高は86億円。

コミットメントロゴは、わが国で最初の国立公園に指定された瀬戸内海国立公園にかかる「瀬戸大橋」と「晴れの国岡山」の空を象徴する鮮やかなせとうちブルーをデザインに採択した。瀬戸内海一帯は古くから人と自然が共存してきた地域であり、脱炭素により未来においてもこの素晴らしい風景をずっと残していきたいという想いを込めた。

  

ジオスター株式会社について

当社は1970年に設立し、50年以上にわたり、地下シールドトンネルをはじめとする地下空間のインフラに加え、道路や河川、空港、防災施設など、社会のあらゆるところの重要構造物に製品を提供しています。

私たちの提供する土木建材製品を『ジオウェア』と称しています。『ジオウェア』とは、地球上において主に地盤と関係して人の満足を支える、環境親和性の高い土木建材製品や、その技術を指します。具体的には、シールド工法のセグメント製品(RC・スチール・合成セグメント)と河川護岸のコンクリート矢板、道路・空港のコンクリート舗装版、道路のアンダーパスの大断面ボックスカルバートやアーチカルバート、PCa桟橋、防災・減災対応の防潮堤、コンクリートとスチールの材料を活用したハイブリッド建材商品を製造、供給しています。2021年度の売上高は309億円です。

コミットメントロゴは、プレキャストコンクリートならびにスチールとのハイブリット製品の第一人者であり続け、また自然との共存を実現する企業を目指す思いを込めて、海岸から望む日本一の富士山のデザインを採択しました。

 

株式会社武井工業所について

1939年、東京都杉並区にて創業。コンクリート製品の製造販売、インフラ構造物の点検事業を行う。本社は茨城県石岡市。茨城県と栃木県に4工場を展開。創業者が考案した「武井式打込柵渠」は特許開放したことで、戦後復興期の道路築造、河川改修、農業用排水整備の分野で全国的に普及。その後、1958年にはJIS(日本工業規格)に指定された。現在でも新製品開発に注力し、フェンス基礎ブロック「シキール」などを全国に分権している。インフラ構造物の長寿命化ニーズの高まりを受け、点検業務にも進出。また、インドに進出し、日本で培った製品や製造のノウハウの移転を図っている。2022年6月期の売上高は52億円。

コミットメントロゴは、名峰筑波山の水系が流れ込む霞ヶ浦にて伝統漁法を現代に伝える帆引き舟をあしらいました。多くの種類の魚や水生植物を育み、冬には多くの渡り鳥が飛来するなど豊かな自然に恵まれた霞ヶ浦。この自然を守り、後世に受け渡す決意を込めました。

 

株式会社ヤマックスについて

1963年(昭和38年)設立。株式会社ヤマックスは土木用・建築用プレキャストコンクリート製品を製造販売する創業59年の上場企業(東証 スタンダード市場)。本社は熊本県熊本市中央区。関東および西日本エリアにおいて東京・福岡・沖縄の3支店及び8ケ所の営業所、8ケ所の工場を有す。関連会社の東北ヤマックス(本社:宮城県仙台市、工場:岩手県一関市)は東北エリアで製造販売。

「人と環境の調和」を理念とし、“技術”と“品質”をもってお客様のニーズに応え、豊かな社会の発展に貢献することを使命とする。

「YACS工業会(ヤークス)」を主宰し、開発工法・製品である「TSKJ工法(耐震可とう継手)」、「マルチスリット側溝」、「大型プレキャスト工法」の全国展開を図る。2022年3月期の売上高は157億円。

コミットメントロゴは、火の国熊本のシンボルである阿蘇をモチーフに、その頂からCO2が下山する様を、CO2削減に例えて作成した。

 

株式会社ヤマウについて

ヤマウホールディングス100%出資子会社として、2021年4月設立(創業1953年)。創業以来、半世紀以上にわたり九州を中心にプレキャスト製品の製造・販売並びに技術サービスを通して、インフラ整備の一端を担ってきた。現在は「防災・減災・国土強靭化」に対応するための製品の開発、製造に力を入れている。特に近年は地震・台風などの自然災害が頻発し、災害対策製品の開発に積極的に取り組む。

そのほか、地球環境保全に向けた脱炭素製品や少子高齢化による労働人口の減少を補うべく省人化が図れる製品の開発も進める。

2022年3月末、ヤマウを含めたヤマウホールディングスの売上高は195億円(新収益認識基準適用後)。

ロゴは、ヤマウのコーポレートカラーであり、GXをイメージするグリーンを基調とし、背景に福岡の象徴的建造物をあしらったデザインを採択した。

 

ケイコン株式会社について

1935年、京都に創業のコンクリート製品の設計施工製造販売、総合建設企業。本社は京都市伏見区。「革新の技術で日本のインフラを支え、社会に貢献する」という創業者の揺るぎない信念のもと、円型水路、大型ブロック、L型擁壁といった国内で広く普及している革新的な製品を世に提供。西日本を中心に強固な経営基盤を築き、高速道路関連のプレキャスト製品においては全国規模で事業を展開している。建築分野では、主に集合住宅や倉庫、病院といった大中規模建築物をターゲットに、床版や柱、梁といったプレキャスト製品を供給している。日本最大のプレキャストメーカーの工業会「NEP工業会」を主宰。

2022年6月末の売上高は183億円。

コミットメントロゴは、世界が脱炭素へと舵を切るきっかけとなった「京都議定書」へのオマージュとして、五重塔をあしらったデザインを採択した。

 

會澤高圧コンクリート株式会社について

1935年、北海道で創業したプレキャスト、生コン、パイルを手掛ける総合コンクリートメーカー。本社は苫小牧市。Innovate・Challenge・Trust の理念のもと、コンクリートマテリアルと先端テクノロジーを掛け算し、新たな企業価値の創造に取り組んでいる。バクテリアの代謝機能を活用してひび割れを自ら修復する自己治癒コンクリート(Basilisk)やコンクリート 3Dプリンターなどの新機軸を MITやTuDelft等の欧米トップ大学との産学協力をテコに数多く打ち出し、伝統的な素材産業からスマートマテリアルを基軸とするイノベーション・マーケティング集団へと転換を図っている。2022年3月末の売上高は203億円。

これからも逓増して行くコンクリートの生産量(白い帯)と脱炭素系技術の束によって増やしていくGHG削減量(青い帯)を表現し、二つの曲線の交点となるNET ZEROを創業100年に当たる2035年までに達成することを表した。

 

NETZERO2035 Webサイト: https://www.a-netzero.com/

 

(本プレスリリースの問い合わせ先)

■會澤高圧コンクリート株式会社 札幌支社

広報担当:大橋 未来(080-2740-0971)

 

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